きょう午前11時半頃、奈良市の大和西大寺駅近くで演説をしていた安倍元総理大臣が倒れて救急車で病院に搬送されました。
消防によりますと安倍元総理大臣は心肺停止状態とみられるということで、搬送先の病院からドクターヘリで橿原市にある奈良県立医科大学附属病院に搬送する予定だということです。
現地で取材していたNHKの記者によりますと当時、銃声のような音が2回聞こえて、安倍元総理大臣は血を流して倒れていたということです。
現地ではその後、警察が男1人の身柄を確保し、殺人未遂の疑いで逮捕したということです。警察によりますと、現場で銃も押収されたということです。
捜査関係者によりますと押収された銃は手製の銃だとみられるということです。
警察によりますと男は奈良西警察署に移送されたということです。
警察当局によりますと、殺人未遂の疑いで逮捕されたのは奈良市に住む山上徹也 容疑者(41)だということです。

警察当局によりますと、安倍元総理大臣について心肺停止という情報が入っていて、確認を進めているということです。
政府関係者はNHKの取材に対し「意識はなく容態はかなり悪いという報告を現場から受けている」と話しています。
演説を聞いていた関係者によりますと、安倍元総理大臣の演説が始まってから1分から2分ほどたったあとに2発の銃声が聞こえたということです。
そのあと安倍元総理大臣が倒れ、意識がない様子だったということです。
目撃の女性 「2発目撃たれた瞬間に倒れた」
発砲が起きた当時、近くにいたという女性は「安倍元総理は普通に演説していたが後ろから男の人がきた。1発目はとても大きな音だけが聞こえて人が倒れるということはなかったが、2発目が撃たれた瞬間に安倍元総理が倒れた。周りの人たちが大勢集まって心臓マッサージなどをしていた。男は上がねずみ色のTシャツで、下は黄土色のズボンという服装に見えた。男は逃げる様子もなく、その場にとどまっていて銃はその場においていた。そのあと周りを取り囲んだSPとみられる人たちに取り押さえられた」と話していました。
現場近くの男性 「花火のような音」
発砲が起きた当時、現場の近くにいたという男性は、「花火のようなドーンという音が2回した。犯人と思われる人はピストルよりも大きい何かを抱えていて、走ってきた警備関係者5人ほどに取り押さえられていた。びっくりしました」と話していました。
目撃の女性 「ヘルメット姿の男が近づき2発撃った」
当時、演説を聞いていたという奈良市に住む50代の女性は、「演説を見ていたらヘルメット姿の男が安倍元総理大臣に近づいてきて銃を2発撃った。銃は、拳銃というよりも大きなもののようだった。撃った瞬間に安倍元総理大臣は倒れていた。男はすぐに取り押さえられたが、その後、関係者が『医療関係者はいないか』と周りに呼びかけていて、AEDが運ばれてきた。その後、救急車で搬送されていた。まさか自分の目の前でと思い、 びっくりした」と話していました。
現場の自民党関係者 「男は逃げるそぶりもなく」
現場で安倍元総理の横に立っていた自民党関係者の男性は報道陣の取材に対し、「男は、10メートルほど離れて撃ってきました。花火のような音がしました」と当時の様子を話しました。その上で「目の前で起きたことで、まだ呆然としています。信じられません。撃った男は静かに近づいてきて、逃げるそぶりもありませんでした」と話していました。
ショッキングなニュースですが、政治家が襲撃された主な事件としては
1960年10月 浅沼稲次郎・社会党委員長が演説中、右翼の少年に刺され死亡。
1990年1月には、長崎市の本島等市長が右翼団体の構成員に市役所前で拳銃で撃たれ、重傷。
同じ年の10月には、丹羽兵助衆院議員が陸上自衛隊駐屯地の記念行事で刺されて死亡。
1992年3月には、金丸信・自民党副総裁が栃木県足利市の演説中に右翼団体の構成員に拳銃で撃たれた。当時、金丸氏にけがはなかった。
1996年10月には、岐阜県御嵩町の柳川喜郎町長が自宅で襲われ重傷を負った。
2002年10月には、民主党の石井紘基衆院議員が、右翼団体代表に自宅前で刺され死亡。
2006年8月には、自民党の加藤紘一衆院議員の実家と事務所が放火され、全焼。
2007年4月には長崎市の伊藤一長市長が選挙の遊説後に暴力団組員に撃たれ死亡。
などがあるようです。
どんな理由があれ、今回のような蛮行は許さるものではないと思いますが、今はただ安倍元首相の無事を祈るのみです。